【書評】『苦しかったときの話をしようか』|自分を知り、強みを磨こう




悩む人
  • 将来の展望・やりたいことが見つからない
  • 自分のキャリア戦略に悩んでいる

このような悩みを解決できる1冊はこちらです。

『苦しかったときの話をしようか』| 森岡 毅

この本は当時経営危機にあったUSJをわずか数年で劇的な経営再建を果たした森岡毅さんが、大学生の娘さんに向けて書いた自分の将来や仕事を考える際の考え方(フレームワーク)の本です。

就職活動に臨む若い世代に向けて書かれていますが、キャリアに悩む全ての世代に響く内容であり、本質的なことが多く書かれておりましたので、個人的にとてもおすすめしたい一冊です。

森岡 毅さん
  • 戦略家・マーケター
  • 「森岡メソッド」を開発
  • 経営危機にあったUSJに導入し、わずか数年で劇的に経営再建
  • 2017年にUSJを退社しマーケティング精鋭集団「刀」を設立
  • 「マーケティングで日本を元気に」という大義の下、数々のプロジェクトを推進

『森岡メソッド』

高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイデアを生み出すノウハウ、マーケティング理論等、一連の暗黙知であったマーケティングノウハウを形式知化したメソッド

『苦しかったときの話をしようか』を読むメリット
  • キャリア戦略を考える上で参考になる
  • 自分の将来や仕事を考える際の考え方(フレームワーク)を学べる
  • 学校では教えてくれない社会の本質を知ることができる

『苦しかったときの話をしようか』の学びと要約

Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash

『やりたいことが分からない』の本質

『やりたいことが分からない」の本質は、世界のことをまだよく知らないのではなく、まだ自分自身のことを良く知らないだけです。

問題の本質は外側ではなく、自分の内側にあります。

やりたいことが見つからないのは、自分の中に「軸」がないからです。

自分の中に基準となる「軸」がなければ、やりたいことが生まれるはずも、選べるはずもありません。

将来が不安なら『Self-Awareness』を高めよう

Self-Awareness = 自分のことを知っている度合いのこと

日本の教育の中で自分の内面を自ら問うことに慣れないまま成長し、結局Self-Awarenessが未熟なまま、自分の軸がない状況を放置してしまいます。

“わかる”ということは何がわからないのかを、わかることである。

『苦しかったときの話をしようか』より|森岡毅
Self-Awarenessから心の安定まで
  1. 自分なりに頭を使って考えれば、自分にとって何が分からないのか、その領域や程度が分かる
  2. 分かるための解決法を想像できるようになる
  3. 何かを得るために行動できるようになる
  4. 分からないことが解消できなくても、自分なりの最善で向き合っていることは分かる
  5. たとえ分からなくても「やれることはやっている」 と思えることが心の安定に繋がる

「不安」とは、自分のわからないことをずっと放置していた「後ろめたさ」から溢れ出てくるものです。

Self-Awarenessはいつ考えても早すぎることも、遅すぎることもありません。

「経験がないから考えても分からない」という考え方はやめて、Self-Awarenessの意識を高めることに慣れておきましょう。

会社よりも職能(スキル)が大事

会社に依存する働き方ではなく、職能(スキル)に依存するキャリアの作り方を本書では勧めております。

会社よりも職能(スキル)が大事な理由
  • いくら惚れ込んでも会社とは結婚できない
  • スキル(職能)こそが持続可能な個人財産

会社はあなたの『達成したい意図』とは無関係の利害で存在するため、一生「片思い」です。

そして、お金が盗まれても、家が燃えても、会社が潰れても、職能(スキル)は消えません。

もちろん時代に合わせてアップデートしていく必要はありますが、それを怠らなければ一生頼りになる武器となるでしょう。

二極化する社会の中で、キャリアの明暗を分けるものは、個人の『スキル』です。

学校では教えてくれない資本主義の本質

資本主義は、人間の「欲」をエネルギー源にして、人々を競争させることで社会を発展させる構造を持つ。

『苦しかったときの話をしようか』より|森岡毅

資本主義の本質は『人間の欲』です。

「より便利な生活がしたい」などの『欲』を元に人々を『競争』させることで、生き残るために常に進歩や努力を強いていく構造になっています。

その資本主義社会において、大きく2種類の人間に分かれます。

資本主義の本質
  • 自分の24時間を使って稼ぐ人『サラリーマン』
  • 他人の24時間を使って稼ぐ人『資本家』

そして、資本主義社会は「サラリーマンを働かせて、資本家が儲ける構造」だと言えます。

それにも関わらず、疑うことなくサラリーマンを続けるのはなぜでしょうか?

これがパースペクティブの差であり、限界です。

『パースペクティブ』= 視点、(ものの)見方、見通し、考え方

例えば、親が真面目なサラリーマンの子供は、その人生の中で、真面目なサラリーマンで一生過ごすことがパースペクティブとなります。

「サラリーマンを働かせて、資本家が儲ける構造」を意識することができないのです。

努力して向こうの世界に行こうと思えば行けるのに、パースペクティブがなければ意識することすらできません。

資本主義とは、無知であることと、愚かであることに、罰金を科す社会のことである

『苦しかったときの話をしようか』より|森岡毅

サラリーマン、資本家、どちらにもメリット・デメリットが存在します。

どちらが良いかを議論したい訳ではありません。

どちらの人生が幸せかも個人の価値観によります。

大切なことは、「資本家の世界を射程圏に見据える『パースペクティブ』を常に持っていた方がいい」ということです。

『苦しかったときの話をしようか』Self-Awareness 『強み』の見つけ方

Photo by Karl Fredrickson on Unsplash

『強み』とは自分の『特徴』とそれを活かす『文脈』がセットで初めて発揮されます。

手っ取り早い方法は、社会との関りで気持ちよかった文脈、すなわち『自分が好きなことをしている文脈』をピックアップすることです。

『好きなことをしている文脈』こそ、特徴が強みとして発揮されている可能性が高いからです。

アクションプラン「自分の強みの見つけ方」

準備するもの

✔ 小さめのポストイット 100個程度

✔ A4用紙 4枚(左上に「T」「C」「L」「それ以外」を記載する)

自分の強みの見つけ方
  1. 自分が好きだった行動(動詞「~すること」)をポストイットに1つずつ書き出す
  2. 最低50個、可能なら100個程度書き出す
  3. 「動詞」のポストイットを下記のコンピテンシー(基礎能力)の中で一番近い所に仕分けする。
コンピテンシー(基礎能力)の3分類

Tの人(Thinking)【考える力|戦略性が強みになる】

趣味:知的好奇心が満たされるものが趣味になっている人

傾向:何らかの課題に対して自分の思考力で問題解決するときの『知的好奇心』と達成感を満足させて走るタイプ。

動詞:考えることが好き、問題を解くのが好き、戦略を練るのが好きなど

Cの人(Communication)【伝える力|人と繋がる力が強みになる】

趣味:人脈作りが趣味なようなもの

傾向:総じてコミュニケーション能力と社交性が高いのが特徴

動詞:友達が増えるのが好き、人と会うのが好き、話すことが好き、話を聴くのは好きなど

Lの人(Leadership【変化を起こす力|人を動かす力が強みになる】

趣味:達成感を味わうのが生きがいなので、趣味もその嗜好を反映したストイックなもの

傾向:挑戦すること、達成することが大好き

動詞:何かを達成するのが好き、高い目的を定めて挑戦することが好き、仕切ることが好きなど

全ての仕分けが終わったときに、ポストイットが最も集中している系統があなたの属性(強み)を表している可能性が高いです。

20年も生きてきたのなら、君の強みは必ず好きなことの中にある。

『苦しかったときの話をしようか』より|森岡毅

これまでの成功や業績は『強み』によりもたらされているものがほとんどです。

会社があなたに給料を払っている対象は、弱点克服への努力ではなく、強みから生まれる『業績や成果』です。

つまり、会社がお金を出して買っているのはあなたの『強み』です。

年収を上げたいなら“ 強み”を伸ばせ!

キャリアで成功したいなら“強み”をもっと磨け!

すべては強みを認識することから始まるのだ。

『苦しかったときの話をしようか』より|森岡毅

『苦しかったときの話をしようか』を読んで感じたこと

Photo by Dollar Gill on Unsplash

上記のアクションプランを試したところ『T : C : L = 2 : 2 : 6』と個人的には意外な結果となりました。

本書によるとL属性の人は少ないようなので、自分の『強み』と自覚して伸ばしていけたらいいなと思っております。

そして本書を読んだ上で、キャリアの形成に特に大切だと思う事は、

  • 会社の枠に捉われず、「自分個人」をブランドとして捉える。
  • そして、自分の名前で仕事が選べるレアなビジネスマンになる
  • 今一度『Self-Awareness』を見直して、市場価値を高める努力を日々行う

この辺が、「今すぐに意識すべき大切なことかなぁ」と感じました。

『苦しかったときの話をしようか』まとめ

✅まとめ
  • 将来やりたいことが分からない場合は、Self-Awarenessを意識する
  • 資本家の世界を射程圏に見据える『パースペクティブ』を常に持つべき
  • 『強み』は必ず好きなことの中にある
  • キャリアで成功したいなら、まず『強み』を磨くべき
  • 会社の枠に捉われず、「自分個人」をブランドとして捉える

私も「娘が成人する頃には、このような素晴らしいメッセージを娘に送れるような親になっていたい」と切に願います。

キャリアを考える上で素晴らしい内容だったのは言うまでもありませんが、親が子に対する愛が文章全体から滲み出ていて、素直に感動しました。

心からおすすめしたい一冊でした。

もっと早くこの本に出会いたかった…




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